椎間板ヘルニアとは

椎骨(背骨を構成する骨)の間にはクッションの役割をしている椎間板物質というものがあります。
この椎間板物質が図のように脊髄神経を圧迫し、下半身マヒなどをおこしてしまう緊急疾患です。早急な対応が迫られます。 ダックスフント、コーギー、ビーグルなど軟骨異栄養犬種といわれる犬種に多く、特にダックスフントの人気に伴って最近増えてきています。

- こんな症状症状があればすぐご来院下さい!! -

・後ろ足がふらつく
・足取りがぎこちない
・立ち上がることが出来ない(麻痺)
・触られるのを嫌がる、そわそわする

急に症状が出ることが多いです。もし椎間板ヘルニアであれば緊急疾患です。様子を見ていて急激に悪化することも珍しくありません。

治療の流れ

来院・問診

治療の内容を問診の上、決めます。

検査

身体検査、神経学的検査、レントゲン検査、血液検査などを行います。
来院されたら問診、身体検査に続いて、神経学的検査、レントゲン検査、血液検査を行います。

神経学的検査

脊髄神経が機能しているかの反応をみたり、反射があるかをみることによって、おおまかに背骨のどの位置で脊髄がダメージをうけているか?どのくらい重症なのか?を調べていきます。

レントゲン検査

ヘルニア以外の脊椎の病気(背骨の骨折、腫瘍、炎症)がないかチェックし除外していきます。椎間板ヘルニアはレントゲンだけではほとんどわかりません。脊髄神経はレントゲンにうつらないのです。

血液検査

全身状態のチェック、そのほかの臓器の異常がないかをチェックします。今後の麻酔をかけての検査、手術の術前検査にもなります。

特殊検査(MRI検査、脊髄造影検査)と診断

MRI検査や脊髄造影といった特殊検査を行います。
これによって脊髄神経が圧迫されている位置を見ることができます。

手術

MRIなどで脊髄の圧迫部位がわかりますので、そこを狙って手術をします。
脊髄神経は椎骨という骨に囲まれていますので、その骨に横穴をあけて、圧迫された脊髄にかかった圧を逃がします。そして脊髄を圧迫している椎間板物質を取り除きます。

リハビリ

手術をしたらおしまいではありません動かしていない筋肉が弱ったりしないように、また神経の回復を促すために、リハビリがとても重要になっていきます。
当院では手術後は7日間入院管理します。
そして、入院中からリハビリのプログラムを組み、スタートさせていきます。
面会に来られた飼い主さんにも参加してもらい退院後もリハビリできるよう練習していただけます。

退院