Nomi Dani

こんにちは、こにし動物クリニック獣医師の原田です。

ブログを書いてお知らせしなきゃいけないな〜と心に引っかかり続けていたテーマがありまして、今回は頑張って重すぎて上がらない腰をなんとかあげました。今日のテーマはずばり

 

!ノミダニ予防の重要性!

 

まずは下のグラフを見てください。このデータが何のデータかわかりますか?

国立感染症研究所HPより引用

このデータは・・・

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)による死亡者数です。

今のところの致死率は16.4%です。


この病気みなさんご存知ですか?

SFTSはウイルスを有するマダニに咬まれることにより感染します。多くの場合、マダニに咬まれてSFTSウイルスに感染すると考えられますが、マダニに咬まれた痕が見当たらない患者もいます。最近の研究で、SFTSウイルスに感染し、発症している野生動物やネコ・イヌなどの動物の血液からSFTSウイルスが検出されています。

国立感染症研究所HPより

そしてここが大事なところですが

SFTSウイルス感染している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染することも否定できません。

そうです。猫ちゃんやワンちゃんから病気がうつる可能性も否定できないのです。それどころか実際に犬猫から人への感染報告が2017年には5件もあります。

また、どこで感染が発生しているのでしょうか?以下の図を見て何か気づくことはありませんか??

国立感染症研究所HPより引用
国立感染症研究所HPより引用

そうです!!滋賀が今感染地域の最前線なのです!!

SFTSは西から徐々に東へと感染地域が広がってきており、既に北陸と京都では感染が報告されていて、推定感染地域には滋賀県が含まれてしまっています。

ではどうすれば感染を予防できるのでしょうか?

ポイントを羅列します

  • 感染源はノミダニ
  • 外に出るわんちゃんや猫ちゃん経由での感染も報告されている
  • 滋賀県は既に推定感染地域に入っている

ポイントはこんなところでしょうか。

感染経路は非常に限られているんです。

自分自身が気をつけるポイントは、

Q.マダニからSFTSウイルスに感染しないようにするためには、どのように予防すればよいですか?


A.マダニに咬まれないように気をつけることが重要です。これは、SFTSだけではなく、国内で毎年多くの報告例がある、つつが虫病や日本紅斑熱など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、首、耳、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏などがポイントです。マダニに吸血された場合には、皮膚科などを受診してマダニを除去してもらって下さい。

国立感染症研究所HPより

ペットにいるご家庭では、ペット経由でおうちにダニを運び込んでしまう可能性がありますので、ノミダニの予防をしっかり行うことで、感染のリスクを大きく減らすことができます。

発症したネコでは血液、便からウイルスが検出されています。尿や体液を含めてウイルスが含まれていると考えられているため、野良猫などとの接触をする際は細心の注意が必要です。

必要以上に恐れる必要はありませんが、SFTSに対する知識を持ち、可能な限りの対策をしておくことで、最悪の事態を防ぐことにつながると思います。

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