こんにちは!滋賀県栗東市(草津市・野洲市)のペットと家族の幸せな暮らしを応援するこにし動物クリニック獣医師の原田です!
お久しぶりです。今回は7月8日にお休みをいただいて行ってきた、WJVF第8回大会の報告をさせていただきたいと思います。
今回は私のメインとして、歯科実習を受けてきました。
人の医療ではお医者さんは、歯は診ませんが、獣医師は歯も診るのです。
飼い主様にどんなことに気をつけてほしいか、というポイントをお伝えできたらと思っております。
わんちゃんで一番問題になっている歯科疾患は、歯周病(歯周疾患)です!
歯周病とは、一般に辺縁性歯周疾患のことを指しますが、
健康な歯肉溝内に歯垢や歯石が蓄積すると歯肉炎になります。
それを放置すると細菌やその毒素が歯肉溝の深部へ侵入し歯根膜や歯槽骨の破壊が起こります(歯周炎)。この破壊が50%以上進行すると歯がグラグラしてきます。逆に言うと、歯がグラグラしていなくても、歯周病になっていることはあります。
歯肉炎は歯肉のみの炎症で、処置により治癒可能です。
歯周炎は歯槽骨の喪失も伴うため、元に戻すことはできません。
歯周炎の子の症状としては
・ 硬いものを噛まなくなった
・ 口から出血している
・ 顔が腫れている
・ 口臭がひどい
こんなところが代表的な症状かと思います。
・どこが治療開始のポイントでしょう?
現在は、残念ながら当院の歯科疾患の治療はほぼ、歯周病の治療です。
歯周病の治療とはつまり、抜歯を伴う治療です。歯槽骨が溶けてグラグラしてしまっている歯は、抜かなければなりません。
当然わんちゃんの負担は増えますし、歯周病になってからでは、全身に影響がでます。
・歯周病の診断はどうすれば可能でしょう?
それは麻酔をかけてからのプロービングとレントゲンで行います。
プロービングとは、歯周ポケットの深さを測る作業です。
レントゲンとは外からでは見られない歯槽骨の状況を確認できる検査です。
つまり、よほどぐらついている歯は別として、その他の歯は麻酔をかけ、適切な検査をしてからでないとどのような治療が必要か判断できません。
(当院は歯科用のレントゲンもございますのでご安心ください)
もう一度繰り返しますが、歯肉炎は適切な治療で元に戻せます。
教えてくださった先生の病院では、主に歯肉炎の段階で治療をすすめ、歯科予防処置を行っているということでした。
歯周病は細菌が全身に回り、様々な影響を及ぼします。他の疾患同様、予防していけたらいいですね。
おうちで意識的に歯を見ることは余りないかもしれませんが、これを機に一度チェックしてみてください。
また予防的に歯のお手入れをすることも非常に大切です。
一番の方法はブラッシングですが、なかなかやらせてくれなかったり、続かなかったりという事が多いとおもいます。
最低限のケアとして、歯磨きガムを使うのも一つです。
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