こんにちは!こにし動物クリニックの獣医師原田です!
今回はワンちゃんの心臓の話をさせていただきたいと思います。
皆さんが来院された際に何気なく聴診されていると思いますが、
その聴診で見つかる病気の中で、一番多い病気はなんだと思いますか?
それは
僧帽弁閉鎖不全症
です。この病気があると心雑音が聞こえるようになります。この病気の怖いところは、症状がわかりにくいという所にあります。
つまり
病気に気づくのが遅れやすい
ということです。心臓は重要な臓器ですので、心臓を大きくしたり心拍数を早くしたりすることで、心臓病の影響を最低限に抑える機能が備わっているのです。
最初の症状は疲れやすかったり、活動量が減ったりと、年齢によるものと区別がつきにくいです。そのため、多くの飼い主さんが見過ごしてしまうのです。
見過ごさないポイントは、しっかり聴診をしてもらう事です!
では治療は?基
基本は飲み薬です。
心臓に血液が溜まりすぎてしまう事で起こる、うっ血性心不全が病態の本体ですので、このうっ血を改善していくことが目的になります。
しかしながら、内科的な治療は
病気自体を治すわけではありません
内科治療は軽症で居られる期間を長くすることができますので、積極的な治療により寿命を延ばすことができます。
根本的な治療は外科治療です
逆流防止弁である僧帽弁が逸脱してしまう事で、うっ血が生じますので、僧帽弁が正常に戻れば、お薬はいらなくなります。現在の獣医療ではその治療が行えるようになっています。私が毎月勉強をしてる大阪の病院ではその手術を行っていますので、興味がある方がいらっしゃいましたら、お話できます。
私自身が高校時代に飼っていたワンちゃんを僧帽弁閉鎖不全症で亡くしているので、心臓病で苦しむワンちゃんに適切な治療をして、少しでも楽な状態を作ってあげられたらと思っています!