3歳以上のわんちゃん猫ちゃんの80%が歯周病
私たちが毎度歯周病セミナーでお伝えしている事ではあるのですが、わんちゃん猫ちゃんはほとんど虫歯にならない代わりに、歯周病がものすごく多い生き物です。上記のように成犬成猫の8割が歯周病と言われています。
歯周病になると、糖尿病のリスクが上がったり肺炎になったりと間接的に命に関わります。また顔が腫れたり顎が折れたりする子もいます。
そうならないためにはどうしたら良いのでしょうか?
わんちゃんは3日で猫ちゃんは7日で○○になる
歯周病予防に必須なのは歯磨きです。これは極めて基本的ですが、これに勝るものはありません。歯ブラシで歯周ポケットを磨くことが何より大切なのです。
しかし、大切なことは「犬猫の」歯を磨くと言うことを認識することです。
- お口の性状が我々と異なる
- お口を触られるのを嫌がる
- 継続するのが難しい
この辺りが、私たちの歯を磨くのとは違うポイントです。
まずは犬猫のお口の特徴を知りましょう。
大切なことは、歯石になるまでの時間が短いことです。私たちは30日間かかりますが、犬では3日、猫では7日で歯石になってしまいます。
つまり、犬では最低3日に一回、猫では7日に一回は磨き残しがないように歯を磨かなければ歯周病のリスクが上がってしまうということです。何もしないでいると我々が思っているよりずっと早く歯周病になってしまうと言うことを認識しましょう。
お互い無理なく継続できるデンタルケアを併用していくことが大切
もう一つ大切なことは、わんちゃん猫ちゃんは基本口を触られるのを嫌がると言うことです。愛犬愛猫が嫌がるお手入れを継続していくのはほぼ不可能です。そこでポイントとなるのが、いかに愛犬愛猫が喜んでお手入れを受けてくれるようにするか、逆に言うと嫌がるまでやらないと言うことです。また日々忙しい飼い主さんが継続できるかも大きなポイントです。
これらを踏まえると
歯ブラシ以外に、飼い主さんが面倒臭くなく、愛犬愛猫が喜んで続けられるデンタルケアを見つけ、毎日続けることが大切です。
分かっていても頑張っていても、それでもつく歯石
ある程度頑張ってデンタルケアをしても、それでも少しずつは歯石が付着します。いったん歯石が付着すると歯石は表面がザラザラしプラークが付着しやすくなるので、どんどん歯石が大きくなってしまいます。その歯石が歯肉に触れたら歯肉炎を起こし、歯周炎へ進行してしまうともう治せません。大切なことは歯肉炎のうちに治療することです。
ではどこからが歯周病なのでしょうか?
ある程度の鑑別として
- 口臭がする
- 歯の根っこが見えている
- 歯がグラグラしている
- 顔が腫れている
これらに当てはまる場合は重度の歯周病の可能性があります。
15分でわかる歯周病リスク
しかし、重度の歯周病の段階で来院されてもできることは限られてしまうので、やはり早期発見が重要です。そこで役立つのが
ADplit
これは病院で判定できる検査キットで、歯周病のリスクが5段階でわかります。現在病院で行なっている歯周病リスク検査は、外注検査で結果がわかるまで時間がかかっていたのですが、すぐに病院で判定できるようになりました。
歯を綿棒でこすって、それを検査するだけなのでたった15分で判定できます!
これを用いる事で歯周病の早期発見に役立ち、適切なタイミングで歯科治療を行えます。
この検査はいつでも行えますので、気になる方はお気軽にご相談ください!!
師走になり、事故を見る機会が増えました。みなさまお気をつけて良いお年をお迎えください。原田